2012年4月19日木曜日

・ゴールがないから,おもしろい(感想その3)



随分時間が経ってしまいましたが,
水出さんインタビューの3回目(全4回)です。
(no.1, no.2)

水出さんは,ハーモニー体操のどこがおもしろいと思ったのでしょう?

「運動能力に関わらず一緒にレッスンができるところ」から,
「ゴールがないところ」へと話は続きます。

ではいってみましょう。

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Y:具体的にはどんなところが面白いんですか?

M:前に私自身がすっごい面白いって思ったのは,自分の体がこんなに思い通りに動かせないのかっていうことですね。だって経験したことのない細かさというか,何言われてるかわかんない面白さというか,そして実際それができない。こんな簡単なことができないのかっていう感覚が面白くって,例えば言い方は悪いんですけどスポーツ選手がいろんなトレーニングを繰り返してきて,そこそこ自分はできると別に言わなくても心の中で思ってる人達っているでしょ?(笑)その人達のやってる動きが,80代のおばあちゃんに比べて遥かに悪い!とかね,そんなことがいくらでもあるので,それは最高に面白いなと思いますね。ハーモニー体操は,そこでお互いに学んでいくことができるというか,今までのその人のバックグランドや運動経験が問われない。他のトレーニング方法は,そういうものが左右してくることが多いと思うけど,ハーモニー体操はそういうのがないから,そこに面白さを感じる。

Y:では逆に,ハーモニー体操は何が問われるんでしょうか?

M:集中力というか,謙虚さというか,そういうものがすごく問われると思います。自分の体に対してどの程度優しいのか,自分の体をどのくらい大事に思っているのかを,意識の高い人はその動きに対してどんどん受け入れることができる。周りの人と比べるとか,出来る出来ないではなく,自分の体を素直に見つめていく事が出来る人,それは年齢関係ないですしね,教えていく方もそうですけど。出来る出来ないとか,他人がどう見るかばかりを気にしている人ってね,レッスンで見ていてすごくよくわかるから怖い。全部見えちゃうっていう怖さはちょっとあるかな。最初は全然そういう風には思ってなかったんですけど,学べば学ぶ程そういう怖さはあります。怖くないですか?見透かされてる感じがする。

Y:まぁ逆に言うと,そういうもんっていうか,そういうもんなんじゃないですかコミュニケーションなんて。先生側が格好いいところだけ見せていても成り立つなんて,実は幻想でしょう。無理矢理教室では成り立たせてるっていうことが多いだけですよね。多分ね。

M:そうですね。なんていうんだろうなぁ,ハーモニー体操って見かけのカッコよさとか,そういうのとは全く無縁のところにあるというか,私が今まで経験してきたエアロビ,ピラティス・ヨガとは全く違ったところにあるものだなと感じますね。

Y:どう違うんですか?

M:他のものにはゴールがあると思うんです。ウエイトトレーニングにしても,どれだけ重いものを持ち上げるという人それぞれのゴールがあって,どれだけ筋肉を太くするかとか何のためにトレーニングするかによって違うけど,ある一定のゴールが人それぞれにある。例えば,先生と同じポーズがとれる様になりたい,とかね。ポーズをゴールだとしたらそこを目指してやっていくというのがあって,ある一定のレベルでゴールに達した人は,そこをキープしようとするわけです。痩せていよう,きれいなスタイルでいようっていう,その為の努力が必要。けどハーモニー体操ってゴールがないでしょ?見本も見せないし,大体自分がやってる事があってるのかどうかもわかんない。やる度に自分も違う動きをしてたりね。これもありだよな,あれもありだよなっていうことの繰り返しで,漠然とした「これでいいんだ!」がない。そういう,ゴールというものがハーモニー体操にはない気がするんです。

Y:それが,いいところなんですか?

M:私にとってはいいです。人と比較することが全くないでしょ?ゴールがあるから比較するわけでもないかもしれないけど,ある見本があって,自分もそうなりたいと思うと誰かと比較する,じゃ自分はどうなの?誰かと比べて痩せてるとか,何かモデルがあってどうなの?とずっと比較していかないといけないけど,ハーモニー体操は全然そういうことがないから凄く楽ですよね。楽で苦しいけど。


---tuduku

冒頭のイラストはわたなべひろみさんの作品をお借りしました。
このイラストとってもかわいいので,iPhoneの待ち受けにしています。
ブログはこちら http://shirosoup.blog39.fc2.com/
許可をいただいた上で使わせていただきました。
(konrad)

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